さんは64才で4年前に市役所を退職し年金生活を送っています。
退職したときに父名義の200坪(路線価146千円)の土地に自分名義の自宅を新築し、89歳になる父親の面倒を見ています。
父親は、昨年癌で入院以来寝たきりになっており、Kさんは相続のことが気になり始めました。
Kさんには二人の弟がいますが、二人とも地元の高校を卒業するとそのまま東京の会社に就職し今も東京近郊に暮らしています。
父親は「弟二人は反対を押し切って地元を出たんだから何もやらなくていい。」と言っています。
正月に弟二人が帰ってきたとき、相続の話が出ました。
二人の弟はもうこちらには帰らないので現金で貰いたいとのことでした。
Kさんは離れていても兄弟仲違いはしたくないので幾らか現金を、と思っています。
ところが父上の資産はこの200坪の土地のみで預金らしきものは外にありません。
Kさんも退職金の殆どを自宅の建築費に使っており手許には老後のために残した10百万円のみです。
まだ、お父様の相続は発生していませんが兄弟間の合意はできておりK様は安心されました。
兄弟間の関係に配慮されたK氏の人柄が円満解決に導いたものです。ただし、住宅の建て方次第では土地を容易に分筆できずに、将来揉めることも在り得るため、親の土地に住宅を建てるときは相続にも配慮して建てましょう。